「動」と「静」 そして・・・。

《運動会》

 運動会、参観日と行事が続きました。運動会でのダイナミックな動きや秩序ある競技、進行状況から、子ども達の育ちの「動」の結果を見ていただけたと思います。どんなにはしゃいでいても、大騒ぎしていても、競技の流れの中で整える時は整えることができるのが、偉いな~と感心します。

周りの雰囲気に流されてずるずるとケジメがつけられない子ども達は、見ていても苦しくなってしまいます。その中に先生の指示や禁止の大きな声が混じると、ちょっとウンザリさせられます。楽しい運動会が、それでは台無しになってしまいます。

子どもライブラリーの子ども達は、そのあたりがとてもよく育っていると思います。周りの状況に引っ張られることなく、今すべきことをきちんとできるのは、「力」です。運動会では、行動力、協力する力、頑張る力、見る力、聞く力・・・とさまざまな「力」を見ることができました。皆様からいただいた運動会の感想を読むと、それらの「力」を、理屈抜きで子どもの好ましい育ちとして、丸ごと受け止めてもらったことがよくわかります。結果として、子ども達と共にとても楽しいワクワクできたさわやかな運動会を、親も子も一緒になって、会場全体で作り上げることができました。

 

《保育参観》

 さて、運動会の後の保育参観はどうだったでしょう。今度は、園の中での「静」の活動を皆さんに見ていただきました。戸外でダイナミックに動くことができても、部屋の中でその気分のまま大騒ぎでは困ります。落ち着きなくソワソワしたり、立ったり、座ったり、動き回ったりも・・・。

やはり、こうなると再び先生の大きな声で禁止や指示が飛びます。そんな場面を見ると、参観日を楽しみにやってきたおかあさん、おとうさんも、隣の人と「先生も大変だよね。」と慰め合う会話をしながら、やっぱりちょっとウンザリ。これでは、とても意味のある教育・保育とは言えません。

子どもライブラリーの先生達は、あまり大きな声で「子どもをしきる」ことはしません。サッカーの時、「いけ!!」「シュート!!」と大声が出ます。また、運動会のかけっこの時、マイクを持った先生は絶叫していました。

しかし、普段子どもに対して、イライラとした強い言葉を投げつけることはまずありません。なので・・・子どもは、とても先生を信頼してよく言うことを聞きます。子どもはやっぱりきちんと丁寧に接してくれる人が好きなんです。好きな人には素直に従います。

保育参観は、部屋の中での活動でした。戸外とは違って「別の力」が求められます。自己管理力、自己主張力、自己抑制力、思考力、見る力、聞く力・・・。ひとりひとりの育ちはさまざまですから、一律ではないのですが、クラスのまとまり、雰囲気などを充分に感じ取っていただけたと思います。

 

《さて、ここからです》

 運動会の「動」と保育参観の「静」について、求められる「力」をまとめました。

さて、これらすべての力の源にあるものは何だと思われますか?

たとえば、保育参観のいちべえ組の参観途中で先生が次のような質問を保護者の皆さんにしていました。

(先生)「今日は1時にあつまります。給食を早く食べて遅れないように丸太小屋に集まってください。と朝子ども達に伝えると、まず間違えることなく1時に全員あつまります。」

    「さて、ここで質問です。子ども達は時計が読めないのに、どうして1時がわかるでしょう?」  

(保護者)「その頃にトイレに行きたくなる」

     「小学校のチャイムの音を聞いている」

     ・・・・・??」

     と、みんなが笑える不思議な答えが続きました。

じんろく組になると、この動きはもっと早くなります。「1時集合」の声がかかると、5分もかからないでしょう。間違えることなく、その時間にピタリと揃います。言葉の理解が充分でない発達に問題のある子どもも、友達に手を引かれてチョコンと座っています。その手を引く友達がいつも同じ子どもでないのが、いいな~と思います。

何でもないことのようですが、これはすごいことなのです。ここに、最初に書いた「力の源」になるものが発見できます。それは、「observe=観察する=」ということです。

誰かに指示されてするのではなく、自主的に周りを見る力、ある環境の中に置かれた自分を客観的に見て、状況に合わせようとすること・・・。

よく言われるように、現在の子ども達に足りないといつも問題になるのが、この「観察する」という行為(力)です。平たく言えば、「空気が読める」「気が利く」ということです。

最近の教育研究者の中でも、そのことが研究手法に変化を与えています。従来は、「ねらい→計画→実践→振り返り」というパターンでの研究でしたが、最近は、その最初に「観察する」という項目が増えました。

全ての出発は、「観察」からということでしょう。

子どもライブラリーの子ども達は、「指示待ちの子ども」ではありません。与えられた情報を自分自身で処理して、理解して、状況に自分を適応させていくことのできる子ども達です。いつもカナカナ学習会でお話しているように、自分を無批判に相手の求めに応じて合わせようとするのが「順応力」。そして、与えられた環境や状況に応じて、自分を変化させていくのが「適応力」です。

私達は、適応力こそ大切で必要なことだと考えています。

ちょっと理屈っぽい話題になりました。このことについては、今月のカナカナ学習会で続きをお話します。

2017/12/11