半矢のあとの朝マック
兵庫県は、11月15日より猟は解禁となる。2週目の早朝、初猟に出掛けた。鴨撃ちである。朝6時から車を走らせ、夜明けを待つ。この時期の鴨は、人を恐れない。鉄砲で撃たれることに慣れていない。大きな池は気温6℃。太陽が昇るのに合わせて、水面から白い水蒸気を吐き出す。寒くて、静かな山の中、東から明けてくる。うす暗い中で白いモヤというのは、なかなか趣があって、美しい光景だ。
鴨が2羽池に着いているのが見えた。私は低く構える。着いている鴨を撃つのはむつかしい。一発目をひびかせる。鴨はその音に驚いて、飛び立つ。そこを狙う。2発目に命中した鴨が水面にストンと落ちた。しかし、水面でバタバタしている。半矢(半落ち)だ。急いで土手を走りながら弾を入れ替える。鴨は水中にもぐる。もぐった鴨は、そこには再び現れることはない。じーっと目をこらして、水面を伺う。
「出た!!」鴨は、落ちた場所から20mも離れた池の真ん中あたりに再び浮かび上がった。しかし飛ぶ力はない。私は土手を反対側に走る。夜の間に土手の草を食べにきた鹿の糞が、足の裏でグチャグチャと音を立てている。池の真ん中に来る前に、再び鴨はもぐってしまった。それからは、姿を見せない。半矢の鴨を仕留めるのはむつかしい。私は仕方なく、銃を持って引き返す。考えてみれば、鴨も必死で逃げている。そんなに簡単ではない。
半矢になるのは、銃の腕前が未熟だということ、あきらめる。やがて、太陽がはっきり見える高さまで昇ってきた。人が動き出し、道路を車が走る。こうなると猟は終了。いくつかの池を回ったが、獲物はゼロ。まあ、こんなものだ。
私は、山の中の暗がりの中で、うっすらと明るくなってくる光景が好きだ。その中でシダ類は、ひときわ輝いて見える。お正月に「ウラジロ」というシダの葉を、鏡餅の上に乗せる、風習がある。左右に開いた表が緑、裏が銀色のあの葉だ。
「ウラジロ」はなかなかのすぐれ物で、ニュージーランドのマオリの人々は、森の中で道に迷わないように、あの「ウラジロ」の茎を折って、銀色の裏側を目印として使用する。月の光に照らされて、銀色がキラキラと光る。それを頼りに帰り道を間違えないように辿って行くという具合だ。
漆黒の闇の中に、かすかに上弦の月の光を受けて輝く「ウラジロ」の美しさは、想像するだけでワクワクする。ニュージーランドでは、それを「シルバーファーン」と呼んで、国のシンボルにもなっている。
従って、私は最近流行のライトアップというのは好まない。照明デザイナーが設計して効果的な影と光を演出する。「モミジ」「カエデ」のライトアップを全く美しいとは思えない。いかにして「美しく」「感動的に」見せるかという競争は、うすっぺらい。自然のあるがままの姿には、到底叶わない。
さて、山の中をウロウロして、すっかり体が冷えた。街にもどって青山の橋の側のマクドナルドに入る。注文のカウンターがない。ボーっと立っていると、赤服にインカムをした若い女性が、「機械はそちらです」と、入口を指示する。「わかってるよ。しかし・・・」ここで土井さんや上山さんに電話してhelpを頼んでも、おそらく誰も相手にしてくれないだろう。
さらにボーっと立っていると、同じく赤い服を着たおばさんが出てきた。こういう時、おばさんは有難い。彼女は、機械に私を導いて「迷いこんだ認知症の老人」かのように、しつこいぐらい丁寧に、使い方を教えてくれた。「現金ですか?」最後におばさんは聞いたあと、カウンターに私を連れて行ってくれた。
「420円」を渡す。「安い」というのが、その時の強烈な印象だった。きれいで清潔な店内で、4人掛けの椅子にひとりでゆったり座り、トイレを使い、猟で汚れた手を石鹸を使ってきれいに洗う水を利用して・・・それで「コーヒーとエッグマフィン420円」は安いと思う。
マクドナルドは、poor peopleのセーフティーネットのひとつになっているんだろうと、実感した。ただ、高カロリーの肥満が取り沙汰されることを忘れてはならない。
12月は、まもなく夜のXmas会をする。できるだけ、自然のままに、素朴だけれども、素朴だから味わえる世界を、是非一緒に体験していただきたい。
相変わらず園からは子どもライブラリーらしい注意事項のおたよりが続いて配布される。読み落としのないように、園の趣旨を理解していただいて、楽しみましょう。
12月1日 玄関に3mのクリスマスツリーが登場した。週明けに子ども達とオーナメントの飾りを吊るす。
「ワァー」とビックリする。「あの子とこの子・・・」の顔が浮かんでうれしくなる。さあ、1年の締めくくりのビックイベント月が始まります。
2026/01/22





















