「雪国も楽し!!」
1月下旬、大雪の土曜日に、福井県鯖江市に招かれて行きました。特急が運行しているかどうか心配の朝でしたが、何とか無事に到着することができました。「赤西先生、長靴で来て下さい」と、メールをいただいていた通りの雪深で、しかもまだ吹雪状態でおどろきました。街は静かで、人通りはありません。市の周辺には、浄土真宗の4つの総本山のうち、3か所があります。「誠照寺」というとてつもなく、大きな本山のひとつのそばを通ってもらいました。私は、けっこうお寺には興味があります。
研修に集まった先生達は、約100名。講義と、パワーポイントの話を、よく聞いてくださいました。終了5分ぐらい前に、小さなメモが演題に届きました。「大阪行の特急は、雪のため運行していません」あわてて、質問を2つ受けたあと、控室に戻ると、お世話の先生方も落ち着かない様子。「赤西先生、今夜はホテルとりましょうか?」「わかりました。それじゃ、特急は動いていませんから、車で高速を通って、敦賀まで送ります。そこから快速電車で、京都へ出てください。」
雪国の人は、判断が早い。言い終わらぬうちに、私のカバンと、着替えの袋を持ち、玄関に直行。私は、ついて行くだけ。そこに、すでに車が準備されていました。
高速は、除雪車を先頭に、車がノロノロと走っている個所もあって、十分ではないけれど、私にとっては、雪の中のドライブ、けっこう、ドキドキワクワクと楽しめました。後部座席に乗り込んだひとりの園長が、さかんにスマホで私の列車を探し、時刻表を作ってくれました。駅に問い合わせ、結局、米原→名古屋経由の列車で乗り継ぐ案を進めてくれました。
「あっ、そこインターに入って」後ろから突然の指示。「OK」と事も無げに、雪道を急カーブでインターへ。「スタバがあるんです。赤西先生、コーヒー飲みますか!」ますます雪のドライブが楽しくなってきた。
この間の顛末を見ながら、私は考えた。
福井県は、日本で一番住みやすい県だという。その理由は、さまざまあるが、私の知る限り、住んでいる人は、
「とてもはずかしがりや」「急いでいてものんびりしている」「こだわりが少なく、自由に発想できる」「テンポは遅いが、品が良い」「相手に気をつかって、自己犠牲を惜しまない」「シンドイことも楽しんでいる」という印象だった。わずか4時間くらいで、なにもわからないのがあたりまえですが、ハプニングとは言え、特別な体験を共有することで、わかることもあります。
雪の中の敦賀駅に無事着いて、お礼を言って別れる時、「これ、列車の中で食べてください」と、「柿の種」の袋と、のどあめ、そして地元の名菓らしい「鯖太郎まんじゅう」をいただいた。田舎の良さである。2人の先生の足元を見ると、しっかりと長靴だった。「なるほど」と納得して、手をふって列車に乗り込んだ。
2013/03/25