CHILD LIBRARY 子どもライブラリー

グループ懇談会

グループ懇談会ご苦労さまでした。

長時間になりましたので、皆さん、お疲れになったでしょう。

まず、はじめに子どもライブラリーの5月の恒例のグループ懇談会について、その目的をちょっと整理しておきます。

 

基本的に、「こども園」というのは、5領域と呼ばれるカリキュラムに基づいて、教育・保育が提供されるところです。多くの保護者の「子どもが通う園」のイメージは、その範囲の中で形成されています。

ところが、幼児学舎子どもライブラリーは、その範疇に収まりません。まず、カリキュラムが連動して、とんでもなくダイナミックで、しかも細かく深いです。また、子ども理解は年齢による子どもの発達をなぞるだけというのではなく、個別の分析が単純ではありません。

私は考えるのですが、ひとりの子どもを理解するというのは、即ち「人間理解」であって、同時に「自分理解」ということにもなります。「自分がわかったぶんだけ子どもがわかる」ということです。子どもは、大人に教えられる対象、躾られる対象、というのは、全く古い考え方です。

生命科学や発達心理学の分野の研究・知見の蓄積により、「子どもって何者?」ということが、少しずつ明らかになってきました。子どもは、その存在自体が自立した個であるということが言われるようにもなってきました。 

 にも関わらず、育ちの基本であるそれぞれの家庭で、また集団保育の基本となる園で、子どもは可愛がられてはいますが、個として尊重されているかというと、そうでもありません。

私達、子どもライブラリーは、子どもの個性的な育ちを認め、応援したいと思っています。そして、子どもが一方的に教えられ、躾られする中で、子どものあるがままの姿が歪められていないかどうかも合わせて検証したいとも考えています。

さて、グループ懇談会にもどります。皆さん感じられたように、「単純でない個別の分析」は、けっこうしんどいものです。他の人の話を熱心に聞くことも求められます。子育てが、我家だけに埋没しないために、いろいろな人の子育てを聞くことは、とても大切な機会です。

不思議なもので、しっかりと聞くことのできる人は、バランスのとれた子育てができてらっしゃいます。子どもを育てることにも客観性が必要ということでしょう。自分の子ども、子ども観を語るのと同じくらい人の話を聞くのは、グループ懇談会の大きな目的のひとつです。

しかし、グループで本音の話をするのはむつかしいものです。できれば個人的な家庭の状況は話したくないと、気持ちが前向きになれない方はいらっしゃったでしょう。また、「私とは違う」と人ごととして、突き放して聞いておられた方もあったでしょう。ここがむつかしいところです。

集まった人達の前向きの了解がなければ、グループでの話し合いは成立しません。本音で話しができなければ、「きれいごと」の世界のままで終わります。全員100%満足とまではいかなくても、それぞれに納得していただける会になっていればうれしいのですが・・・。

 

子どもをよりよく理解するというねらいを持って、いろいろな制約や思惑が絡み合いながらの今年の懇談会でした。

園としては、まだまだ話し足りないことがたくさん残りました。特に、時間に追われて、ひとりの子どもの問題点が中心となってしまい、良い点、かわいい点などが、充分に話し合えなかったことが残念です。

最初に書いたように、どの子どもも否定されるものではありません。良くても悪くても、個として尊重されなければなりません。その領域に届くために、私達にもまだまだ努力が必要です。

 

 さて、今月のカナカナ学習会は、グループ懇談会の主なトピックを年齢別に整理、補足してお話しします。「もう忘れちゃった」と呑気な方は、是非ご出席ください。

2019/06/10