CHILD LIBRARY 子どもライブラリー

新入園児説明会

【質問と要望】

 9月に入ると、新入園児のための説明会が各地で行われている。私達のグループ園でも、興味・関心を持たれた保護者が多数参加されている。(若いご両親が増えている。)

園運営の重要事項説明のあと、スライドショーで子ども達の生活を見ていただく。その後、質問を受ける。

最近の質問の傾向から・・・

「先生の数は何人いるのか?」

「クラス担任はえらべるのか?」

「経験者はどれくらいいるのか?」

「友達ができるために何をしているか?」

「音楽はどのように指導しているか?」

「学校の準備として、何を教えてもらえるのか?」

「自由にあそんで躾はできるのか?」

「食事はみんなで楽しく食べることを教えるのが大切だが、レストラン形式でそれができるのか?」

さらに要望として・・・

「年長児にもおひるねをさせてほしい」

「園バスは家の前まで来てほしい」

「針と糸は危険だからやめてほしい」

「玩具は同じ種類のものを複数おいてほしい。取り合いのけんかになるから」

「みんなと同じことができるように教えてほしい」

「服装が自由なのは困る。親の競争になる。制服に統一してほしい」

などなど。

一部の抜粋だが、どの質問も要望もフレッシュでよくわかる。大切な自分の子どもを任せる園を選ぶのによく調べ、よく考えられているなぁと思う。

 

【しかし・・・・・】

しかし、やはりちょっとした違和感は残る。

それが一体何なのかを考えている。国や自治体の決めた園の設置基準まで(たとえば職員の数)よく勉強されているのだが、それらは重要事項説明書を読んで、聞けばわかる。(この説明は必須として各園に義務づけられている)

その他の子どもの処遇や指導内容については、これも子ども・子育て支援法によりカリキュラムの大枠は定められている。その解釈や実践になると、各園によってさまざま異なることもあるが、大きくは外れない。

それでも、このように質問が出るというのは、まだ情報が足りないのか、また保育内容まで質問されるのは、子どもを任せる園が信用できないのか・・・。

特に具体的なこと(何を教えてもらえるのか?)の心配が多いのが私としてはちょっと気になる。そのあとの要望は、親の都合と個人的な価値観かな~と思えるので、とりあえずお伺いするだけにしている。

 

【さて・・・・・】

 さて、子どもライブラリーはどうかと考えてみた。はじめて説明会に参加された未就園児の保護者の方々の質問・要望は、同じようなことかもしれない。しかし、この園に関しては、質問には的確に答え、要望も「できる・できない」とはっきり答えたとしても、みなさん「納得されないだろうなぁ~」と心配する。殆ど先程のような質問・要望された方の満足する答えは出てこないだろうと思われるからだ。

すべてに別の答えが用意されている。それが子どもライブラリーだ。「別の答え」って何だ!!ということになるが、それは実際に経験してみなければわからないことばかり。入園前に約束されることではない。これが困る。

しかし、ここでの「実際の経験」というのは、子どもを園に入園させてひとつひとつ経験しなくても、わかるものでもある。

その「経験」というのは、親が今まで生きてきた人生の経験そのものだからだ。自分自身が多様な価値観と、自立したチャレンジの体験を積み重ねていれば、先程の質問の答えはすぐにわかる。多くを見なくても、聞かなくても、最初にその園に入り、環境を感じて、殆どのことはわかる。

たとえば、はじめてライブラリーにやって来た見学者の子どもが、部屋に入った途端「おもしろそう!!」と目を輝かせるのをよく見る。それが全てを物語っていると私は思う。子どもは説明しなくても直感的につかみ取る。

「見てわからん者は、聞いてもわからん」という言葉がある。はじめてのことに対する質問・要望は、その人のそれまでの人生の経験をあらわしていることと重なる。とするのはちょっと厳しいかもしれないなぁ~。そんなことを考えながら9月の各地の新入園児説明会の「今どきの親」を勉強させてもらっている。

 

(※9月のカナカナで、最初の質問に子どもライブラリーの答えを一気に話します。)

2016/10/03