CHILD LIBRARY 子どもライブラリー

8kmハイキング

「家族で8kmハイキング」が終わりました。今年も、500~600名の人たちが歩きました。当日は、沿道に他園からの応援スタッフを配置して、安全を確保しました。総勢30人近いスタッフが、それぞれのポイントに立って、交通整理をしたり、声をかけて、励ましたりしてくれました。
1,2歳児は、中間ポイントから4km。その他の子どもは、8km歩きます。行事の前には、初めてチャレンジする保護者から、「とても8kmは歩けません」「3歳ですが、無理だと思うので、中間ポイントからでいいですか?」「途中で歩けなくなったら、どうしたらいいですか?」など、心配の質問がしばらく続きました。「3歳児で充分8km歩くことができます」「3歳以上児は、原則として8kmです」「途中具合が悪くなったりした時は、近くのスタッフに申し出てください。すぐに応援の車を手配します」と、丁寧にお答えしました。リピーターは、全く意欲マンマンで、みんな楽しみにリュックを背負って、集合しました。勿論、小学生も多勢集まりました。
午前10時スタート。市街地を抜け、田畑の広がる道をのんびりと家族で歩きます。すぐそばの山のすそには、イノシシよけがずーっと続きます。やがて川沿いに出ると、中間地点まで皮を見ながら歩きます。スタッフが、「あと少しで中間地点です」のプラカードを持って立ってくれています。「おはようございます」「だいじょうぶですか?」「がんばれ」などと、声もかけてくれます。
中間地点で給水をしたあと、さらに川沿いを歩き、橋を渡ると「ゴールまで900m」のプラカード。そして、遠くの山すそに目印の大イチョウの木が色変わりした葉をつけて、黄金色になっているのが見えます。ゴールすると、クラス毎にメダルと飴をもらい、大イチョウの下で家族写真を撮ります。そのあと自由にお弁当の時間。すぐそばに川があります。この季節は、水量が少ないので、子どものあそぶのには、最高です。やがて、最後の家族が到着。今年は、最終まで3時間3分でした。多くの家族は、帰りは車なのですが、何組かの家族は、夕方まであそんで帰りも歩きます。今年も夜6時すぎ、真っ暗になってから歩いて帰ってきた家族に出会いました。皆さん、まだまだ元気そうでした。
「8km歩く」ということに抵抗感のある若い家族が、増えたように思います。「え〜っ8kmも歩くの〜」という感じです。普段、車の生活ですから、歩くことが少ないのでしょう。親が歩かなければ、子どもも歩きません。むずがる子どもは、やはり親が歩くことをあまり好まないということがよくあります。「まずは親から・・・」ということでしょう。また、遠くの目標(8km)に心を捉われすぎてもいけません。目標は、今の一歩を踏み出すことにあります。3歳以上児に8kmはどうかというと、まったく問題ありません。特に、2〜3人友達と一緒にいると、田舎道は楽しくて、おもしろくて、うれしくて、はずむように歩いていきます。子どもの体力が取り沙汰される最近ですが、建物の中で跳び箱を教えてもらうのもいいですが、自然の中でのびのびと、楽しく歩いて、体力をつけるのも悪くはないと思います。野山や畑の小さな発見もたくさんあります。ゴールの大イチョウの前に立った時に感じるものは、替え難いものがあります。

園の行事にはいろいろあります。子どもの成長を見ていただく行事が多いですが、時々こういった家族でのんびりと歩くだけという行事もいいと思います。多くのスタッフに守られて、たくさんの家族が目的地を目指して、歩きます。途中すれ違う友達との会話を聞いて、子どもの園での生活が想像できることもあります。みんな目的が同じですから、気軽に会話もはずみます。この行事については、あえて、「体力作り」とか「家族の交流」とかのねらいや目的は、設定していません。みんな自由に気ままに歩いていいと考えます。その中で、それぞれが感じるものがあるでしょう。それがリピーターへのきっかけになります。理屈っぽく説明はいらないと思います。こんな行事があってもいいと思います。

それにしても、歩くのが苦手な家族が増えてきているのは困ったものです。皆さん、車は控えて、子どもと一緒に歩きましょう。「アウトドア、大好きっ子」に育ててあげてください。

さて、12月は夜のクリスマス会です。次は、きちんとしつらえられた端正で美しい子ども達を見てあげて下さい。そして、心洗われて、とびきりの時間を一緒に楽しみましょう。はじめての方は、子どもライブラリーの自由で変化に富んだ多様な「行事」のあり方に驚かれるかもしれません。その内容の豊かさだけ、子ども達が豊かに育ちます。先生達の工夫する力を感じていただければうれしいです。

2013/12/09