CHILD LIBRARY 子どもライブラリー

「カウントダウン」はじまる。

仮設園舎も残り13日(カナカナ学習会後)。いよいよカウントダウンが始まった。3月1日の引越には、45名の父親・母親が応援に来てくれる。有難い。

昨年からの433日は充実した毎日だった。先生達は漫然と過ごして、消化を目的とするのでなく、一日一日を考えて、工夫して、おもしろがって、ダイナミックに過ごしてきた。子どもライブラリーの真骨頂だった。事有る度に毎回仮設園舎の隅々まで掃除をして、拭き磨き、整えて、仮設だからと侮らないで、子ども達にその心意気を示してきた。

そして、何よりも慣れない場所で、不便で、危険もある日々の生活の中で、次の3つの言葉が聞かれなかった。「指示・命令・禁止」の3語だ。

 

小さな子ども達を育てる時、この3語は不要だとカナカナ学習会で話し続けてきた。・・・・・今も続けている。この3語については、「それでは子どもが言うことを聞かなくなる。」と、親からの不平の声は承知している。保育者集団でさえ、「子どもを自由にさせるとワガママ放題になる。」と、もっともらしく語られることは珍しくない。大人にとって、子どもを育てる、躾ける、教える、時、この3語「指示・命令・禁止」は手離せない。・・・と信じられてきた。これは16世紀の子ども観ではなく、多くの国で「子どもの人権」が批准されている21世紀の実際の子ども観だ。(お粗末だが・・・。)

 

仮設園舎の1年間余りの生活は、「その実践」の場となった。空間が限られて、狭くてコンパクト。どこにいても、どのクラスの子どもとも常に顔を合わすことができる。連絡、行動を素早くできるのも、仮設は有効だった。異年齢交流、インクルーシブ教育は、あたりまえの日常となった。この空間での保育・教育には、「指示・命令・禁止」の言葉は不要だった。そして、子ども達は「自由にさせると言うことを聞かなくなる。」「ワガママ放題になる。」・・・ことはなかった。

 

そのことには理由がある。

 

年間通して実施してきたカナカナ学習会を思い出して欲しい。その理由、秘密を毎回具体的に話してきた。2月になって「なるほど」と合点された保護者の方は多いだろう。私は、ひとりひとりの保護者とこのことで語ることはないが、「合点」がどれほどのものかは、子どもを見れば手に取るようにわかる。

「子どもはつくられる」は至言だと、さらに納得した。

 

「指示・命令・禁止」の言葉を封印して子どもを自由にさせると、「自分勝手でワガママ放題になる。」というのは、明らかに正確ではない。大人の思い込みだ。

 

しかも、何故そうならないのかの理由もちゃんとある。理想論でもきれいごとでもない、説明できる理由がある。2点挙げる。

  • 生活環境が知的好奇心を充分に刺激してくれる。
  • 次の展開へのきちんとした導きがある。

逆に言うと、以上の2点が生活の中で保証されていれば「指示・命令・禁止」の3語は不要になるということだ。

  • を準備して整えることで、子どもの自立心、向上心が育つ
  • をナビゲートすることで、親・先生への信頼と安心が得られる。

 

仮設園舎の1年余りは、私達に以上のような貴重な体験を与えてくれた。「転んでもタダ起きない」とは、俗っぽい格言だが、いろいろなモノと考え方をつかみ取って、立ち上がり、次の生活の糧にしたいと考えている。今日(7日)北側足場とヘイが撤去されて、個人的に待望の「カフェ」が姿を現した。まったく楽しみである。引越のあとは、玄関正面は南側に移動する。しばらくは、1100㎡の園舎の広さに先生も子どももとまどうことだろう。給食のスタッフは大喜び。ねんねこ組は床暖房の快適さに、園外へ出ないかもしれない。(ダメです。許しません。)

次回カナカナ学習会は、うんと広くなった2階の多目的室で行う。園庭が復活し、バスでの公園行は終了となる。(これはこれで楽しかった。)

いろいろなことが元にもどるが、全く同じではない。仮設園舎での貴重な体験をきちんと生かして、無駄なものはひとつもないことを、子ども達に伝えていきたい。

⓶次の展開へのきちんとした導き。は、私達大人の責任だ。良き先達、ナビゲーターとなれるよう、気を引き締めて前に進みたい。

 

 

「親子ミュージカル」予告

 

日 時  3月20日(祝) 13時30分開場 14時開演

場 所  アクリエひめじ 大ホール

演 目  『TIKI』のいる村

 

ここからが正念場。じんろく組親子、全員で取り組む卒園公演。

どうぞお楽しみに。

2025/02/22

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